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那須次郎とアンプを語ろう

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UY-807投稿者: 那須次郎 投稿日:2008/04/04(Fri) 22:45 No.1078  
戦後、日本のアマチュア無線が復興したときから’60年代後半まで、アマチュアのシンボルだったのはこの送信管でした。

UY-807は四極ビーム管で、上手に作ると6mでも使用可能です。普通は807、ハチマルナナ(略してマルナナ)と呼ばれていますが、正式にはUYが付いて、星型にピンが並んだ、5ピンのベースであることを示します。



Re: UY-807投稿者: 那須次郎 投稿日:2008/04/04(Fri) 23:10 No.1079  

> UY-807は四極ビーム管で、
トップに送信管の特徴であるプレート電極の引出しが出ています。ここから出力同調回路に接続します。
受信用のST真空管ではトップにグリッドが出ているものがあります。そこから隣のIFT(中間周波トランス、同調回路)に接続します。

縦長の電極はプレートです。その内側に金網のようなスクリーンとコントロールグリッドがあり、さらに内側にヒーターを収納したカソードの長四角い箱型の電極が入っていますが、この写真では見えません。

一番下の電極引出しを覆う囲いのような電極はカソードに接続され、ビーム形成電極といいます。カソードは高周波的にはグラウンドに落ちるため、この囲いはシールドも兼ねています。

GGアンプといって、多極送信管のグリッドやスクリーンをまとめてグラウンドに接地して、カソードにドライブ電力をかける方式が流行し始めた’50代末から’60年代初頭の時期、この真空管もGGアンプに使用できないか、と実験したひともいました。

しかしうまくいっても80mなどローバンドのみ、高い周波数のGGアンプは発振してしまってだめでした。理由は、このビーム形成電極が、GGアンプ接続では、入力(カソード)と出力(プレート)間のアイソレーションを劣化させるためです。



Re: UY-807投稿者: 那須次郎 投稿日:2008/04/04(Fri) 23:31 No.1080  

> UY-807
この送信管の同等管で同じ内部構造をもつ、1625 というラージUT‐7ピンベースの四極ビーム送信管があります。

1625は、メーカーによってはベース内部でカソードのリードとビーム形成電極が接続されるものがあり、これを別にしてやるとGGアンプでも動作させることができるのです。 7ピンベースのうち使用されないピンを利用して、ビーム電極をカソードとは別に引き出します。

1625 のヒーター電圧は12Vであり、移動用無線機でしばしば使用されました。

写真は 1625 2パラのオートチューン航空無線機ARC-25の終段部分です。高級保養地のOMに見せていただきました。



Re: UY-807投稿者: 那須次郎 投稿日:2008/04/05(Sat) 02:19 No.1081  

> UY-807
> 一番下の電極引出しを覆う囲いのような電極はカソードに接続され、ビーム形成電極といいます。カソードは高周波的にはグラウンドに落ちるため、この囲いはシールドも兼ねています。

しかし、この囲い部分がない 807 もあるようです。
写真はYahoo!オークションから拝借した、東芝UY−807 です。なにかオーディオなど、別の用途に使用されるために製造されたのでしょうか??

No.1080の写真に見られるように、通常、807は内部電極の下部のところまでシャーシに沈めるか、球の周囲にシールドの筒を設けてやることが多いようです。

シールドの囲いを付ける場合、ソケット周囲に空気が抜ける穴を開けて対流させる必要があります。



Re: UY-807投稿者: 那須次郎 投稿日:2008/04/09(Wed) 01:46 No.1086  

ところで、一番上の写真の UY-807 はすべて旧ソ連製の球です。よく見ると内部構造に違いが見られます。

2種類の807から、ソ連が関わる歴史を連想しています。

左側のものでは電極押さえのマイカ板を固定するのにタイトのビーズが付いています。プレート引き出しリードは(写真だとよく見えませんが)電極に巻き付けて取り付けられています。

これは1971年製造でしょうか、71という印刷が見られます。
そうだとすれば、ソ連が支援する北ベトナムが、アメリカ軍相手に果敢に戦争していた時期のものです。

この球は、いわゆる rugged tube、 丈夫な構造のUY-807 なのかもしれません。

右のものではタイトのビーズは省略されていて、プレート引き出しリードの固定もいい加減です。これは1977年製造でしょうか、77という印刷が見えます。

この時代は、すでにベトナム戦争は1975年に終結し、北ベトナムによる南北統一(というか南への侵攻でしょうけれど)が終わっています。米ソ間の冷戦もここまでくると、かなり両者にとっての痛手となります。

その後、1979年にはソ連のアフガン侵攻や中越国境紛争が起こります。
一枚岩だ、と少なくとも日本のジャーナリズムが勘違いしていた、社会主義国家間での紛争、あるいは社会主義国内部ですら親ソ派および親中国派の間では、両者の根深い対立が目に見えてくる時代です。(すでに、このころベトナムでは親ソ連派が、カンボジアでは親中国派が実権を掌握していました。)

しかし、それにしてもどうしてこの送信管が旧ソ連で製造されていたのでしょうか、不思議な話です。

世界のどこかに、アメリカ製無線機を購入して(あるいは援助で供給されて)、その後、ソ連に真空管の供給を依頼していたような、ちゃっかりした国が、もしかしたらあったのかもしれません・・・。



Re: UY-807投稿者: 那須次郎 投稿日:2008/04/27(Sun) 15:34 No.1101  

> 旧ソ連製の球

その後、東ヨーロッパからアメリカ合衆国へ移住した友人からメールが来ました。
その球は、旧ソ連製G−807 ではないのか? 送られてきた友人のパワーアンプの写真で、真空管にはそう書かれています。

確かに、私の手もとの送信管にも、Γ‐807 と書いてあります。
キリル文字のガンマ(Γ)は英語のGですから、なるほど!!

友人のメールによれば、この球はアマチュアではもちろんのこと、テレビや高圧回路、民生品から軍用無線機に至る広い用途で使用されたポピュラーな球だ、とのこと。
彼は、この送信管を10本パラレルにしてHF送信機を作りました。80mで1kW、10mでも600W出るそうです。

しかしなぜ、原産国アメリカ合衆国、製造元RCAの 807 が、どういう経緯でロシアで生産されたのか? 第二次大戦前後、あるいはRCAと旧ソ連の真空管産業が技術提携していたのか!? いぜんとして私の疑問は残ります。

(東欧諸国の無線技術の歴史がなかなか伝わらないので、友人のコメントは貴重でした。)



Re: UY-807投稿者: 那須次郎 投稿日:2008/04/27(Sun) 20:28 No.1102  

> どういう経緯でロシアで生産されたのか?

さて東欧からスウェーデン経由で米国に移住したその友人のメールはさらに続きます。米ソの送信管を対比すると、

「私の知る限り、RCA 829 =Russian GU29, RCA 807 =Russian G-807, RCA 813= Russian GU13 です。
いくつかの軍用受信機や送信機および車両なども同様、第二次大戦中にアメリカからソ連に、対独戦争のために供与されました。

戦後、赤軍はドイツで設計されたレーダー用のマイクロ波真空管などを持ち帰りました。たとえば、LD6=GI6B, LD7=GI7B, LD11=GI11B, LD12=GI12B といった具合です。
ドイツ製だった優れたHF用軍用送信管では、LD50=GU50 というのもあります。
戦後の冷戦時代、米ソの良好だったこの協力関係は崩れました。

写真のラックには、一番下に私の G-807x10 パワーアンプ、その上にGU-13x2のアンプがあり20mバンドで1000W出ます。

これらのパワーアンプは、私がスウェーデンに移住したときに製作しいまも時々HFのコンテストなどをするときに長時間にわたり使用しています。



Re: UY-807投稿者: 那須次郎 投稿日:2008/04/27(Sun) 20:33 No.1103  

> 米国に移住したその友人のメール
この送信管を10本パラレルにしてHF送信機を作りました。

「昨年、アンプの807をプリント基板に載せ換えました。だいぶへたって来たためです。もちろんこれらはいい球を選別して、アンプ用にしました。」



Re: UY-807投稿者: 那須次郎 投稿日:2008/04/27(Sun) 20:37 No.1104  

「写真の通り、私のアンプには、RCAのJAN規格の807と、旧ソ連製の807がいっしょに並んで入っています。一般に、ロシア製送信管のほうが、オリジナルのRCAの球よりも、もっとオーバーロードにも耐えると言えそうです。」

ひとに歴史あり、送信管にも歴史あり、と理解しました。



Re: UY-807投稿者: Birdhouseの住人 投稿日:2008/04/29(Tue) 22:02 No.1105  

>戦後の
懐かしい球です・・・・最初に使用したのは40年位前に袴を外すことからはじめました。ここを御覧の皆様がご存知でしょう=GG AMPを作る為でした。
その後、加工しやすい1625に手を出しましたHi
3−500Zが入手難になって4−400AやCが代用されていますが・・・・実行された方はおられますか?



Re: UY-807投稿者: 那須次郎 投稿日:2008/05/04(Sun) 03:39 No.1106  

>最初に使用したのは40年位前
Birdhouseの住人さん、お元気でしたか?

そうですね、こちらもいろいろやりました。まずCB用のアンプ、これは807Wと呼ばれたUS製で、別名5933という6146を太らせたような球でした。CQハムラジオ誌の広告に載っていたものを通販で購入したのではなかったかと思います。

そのあとUY‐807でHFオールバンド用AM送信機を設計して、作りかけていましたが、変調器の6BQ5が入手できず途中で挫折。

これにかわって、トリオTX‐88Aのファイナル部分だけ取り出したような、50MHzのパワーアンプを作りました。ダミーロードにした60W白熱電球がかなり明るくなりましたから、パワーはよく出たようですが、ドライブをかけなくても出力が出ていることもありました!

このとき、信号は強くなるが変調は浅くなる、という不思議なレポートをもらいました。近所のOMに、グリッドバイアスを006Pの電池でかけなさい、といわれたのですが、そのころの私には意味が理解できませんでしたし、乾電池を真空管に使うのでは寿命が短いだろうと反発を覚えたものです。

私の6mアンプは、なにしろTX−88Aがお手本でしたから、グリッドバイアスは、グリッドリーク抵抗にグリッド電流を流してやるCクラスの方法なので、直線増幅していないせいで変調波は増幅できなかったのでしょう。
おまけにドライブをかけていないか、うまくかからないときにはグリッドバイアスはゼロボルト、いきおいよくプレート電流が流れてしまいます。

乾電池で固定バイアスをかけてやって、グリッド電流を流さない方法であれば、きちんとAMも増幅したであろうし、過大なプレート電流も流れないのでしょうけれど、あとの祭りです。

真空管のグリッドバイアスを乾電池でかけてやっても、グリッド電流は流さないので、消耗しにくいわけですが。


>3−500Zが入手難
確かに’80年代のゼロバイアス管は入手が難しくなりました。これは愛用するひとには大きな問題でしょうね。

3-500Z, 3CX800A7, 8877, 8874~8875 シリーズも、中古球すら大変高価な値段を吹っかけられてしまいます。

相当管があっても、米国製Eimac →中国製Chaimac ?とかで、信頼度はだいぶ下がります。単価が安いのはいいのだが、ひと箱まとめて購入して、使えるのを選別してちょうどいい値段となる、といっていた方がいました。相当、歩留りが悪そうな話でした。

Eimac送信管には、保証書と一緒に高圧やX線発生についての注意書きが入っています。
そこの決まり文句は、High voltage can kill とか、lethal とか書いてあるのですが、Chaimacだと、この球は死んでいるかも・・なんて書いてあるのでしょうか、見たことがないのですが。

冗談はさておき、3-500Zのかわりに4-400Aではずいぶんと時代に逆行します。ラジアルビ—ム四極管のゼロバイアス動作は、いいことがありません。かと言ってAB1クラス動作は、小さいキャビネットのアンプの中では熱がこもって大変でしょう。4-400Aのほうがやや
大きいので、つっかえるかもしれませんし。

ここはせっかくですから、 Sveltana 811Aを 8本パラレルというのはいかがでしょう。811Aは、いかり肩で少し太っていますから、うまく入りますかどうか?



Re: UY-807投稿者: Birdhouseの住人 投稿日:2008/05/04(Sun) 10:23 No.1107  

> ’60年代後半まで、アマチュアのシンボルだったのはこのk今日は実家でJUNK?球整理中4−65、4−125未使用箱入りが見つかりません。。。蔵の中かな・・・・Hi



Re: UY-807投稿者: 那須次郎 投稿日:2008/05/07(Wed) 23:59 No.1108  

> 未使用箱入りが見つかりません。。。蔵の中かな・

あるOMいわく、年を取ると一日の半分は探し物をしている、とか。
だんだんそうなりますかね? 大丈夫でしょうか。

こちら連休中は無線室の雨漏り修理(まだ天井上のみにとどまる)などで、普段まったく使わない筋肉を使いまして、全身筋肉痛です。
毎日、同じ仕事ばかりやっていると、いかに人間がダメになるか、よく分かりました! たまには連休もいいものです。



Re: UY-807投稿者: 那須次郎 投稿日:2008/05/10(Sat) 12:36 No.1109  

> 807Wと呼ばれたUS製で、別名5933という6146を太らせたような球

これですね。
ベースはGTではなく、普通の807と同様のUY 5ピンです。



Re: UY-807投稿者: 5F23製作中 投稿日:2008/05/14(Wed) 00:05 No.1112  

久しぶりに書き込みさせていただきます。807の話題だったので、私からも807の直熱管である 1624 の写真をアップします。これは、BC604というWWⅡ時代の送信機のファイナルに使ってあったものです。ドライバ段は1619という金属管が使われており、これも中身は6L6系のようですね。

しかし、807を10本パラにするとは・・・・驚きです。OTLアンプみたいになってしまいそうな気がしますが。



Re: UY-807投稿者: 那須次郎 投稿日:2008/05/17(Sat) 01:40 No.1113  

5F23製作中さん、P-Pアンプの製作は着々と進んでいるようですね。完成が楽しみです。

>807の直熱管である 1624
珍しい真空管を拝見しました。ちょうどVHF用の2E26 に2E24という直熱管がある(と思いましたが)と同じことでしょうか。
カソードが少ないヒーター電力で効率よく電子を放出するものが製作されるまでは、電力管は大電力の直熱フィラメントを使っていたので、その流れなのでしょう。

G-807x10本パラレルというのには私も驚きました。ジャンクで簡単に手に入ったのでしょう。
RFパワーアンプのOTLのようなもの(ブロードバンドアンプ、非同調、Aクラスなら実現できるのかもしれない?)というのも効率悪そうですから、このアンプでは出力同調はちゃんと取っているのだろうと思います。

プレートに1kVくらいかけて(AMでなく、CWやSSBなら可能でしょう)、間歇使用の50%デューティなら1本あたりプレート損失は2倍で50W、10本なら500W と単純に考えて、通常の2倍の130mAくらいプレート電流を流して、Cクラス動作をさせると出力1kW出る、ということかと理解しました。
SSBではこの管本来の使い方で、グリッド電流を流すAB2動作も可能なわけです。

10mなどハイバンドでは効率は良くないのでしょうが、いかにも東欧のアマチュアが頑張って作ったパワーアンプだな、と感心します。

この友人はHFからマイクロ波の月面反射まで幅広く楽しんでいる、かなり腕のいい電気技術を持っているひとですから、こういう芸当は誰にでもお勧めできることではありませんが、上記の理由で効率80%、出力1kWも可能なのでしょう。

ただし多数の真空管を並べるときは放熱効果が減弱するので、ガラスに穴があくようなトラブルを経験します。
通風しても807のような放射冷却管ではプレート電極そのものを冷やす効果はありませんが、ガラス管壁の温度上昇は抑えられるわけです。
(しかし、このアンプに空冷ファンなど付いているのだろうか?)



Re: UY-807投稿者: 那須次郎 投稿日:2008/05/17(Sat) 10:00 No.1114  

> このアンプに空冷ファンなど付いているのだろうか?

No. 1102 の写真を見ると、フロントに2枚、パンチングメタルが貼り付けてありますから、キャビネットの奥からファンで吹いてやって、正面に風が出てくる軍用機のような方法を採用したのかもしれません。未確認ですが。
日東電磁ロータリースイッチ投稿者: KL−11 投稿日:2008/04/07(Mon) 21:49 No.1082  
KL-11の不調がまだなおりません。
分解してみてみたところ、タンクコイルの間隔が狭くなっているところがあって、はんだが球にになって、接触していたのを、発見し
再度セットしてみたのですが、3.8Mではダミーで2KW出ますが
その他の周波数はパワーが出てきません。IPは流れるのですが
パワーがでてきません。ロータリースイッチに日東電磁のKE-80
だとか書いてありますが、まだ入手できるのでしょうか?
一応1接点づつネジ止めしてあるタイプです。
テスターで導通をはかったら、導通はあったのですが???



Re: 日東電磁ロータリースイッチ投稿者: 那須次郎 投稿日:2008/04/09(Wed) 00:56 No.1085  

>ロータリースイッチに日東電磁のKE-80

2回路のスイッチでしたでしょうか?
写真を見られるといいですね。

パワーが出ないとのことですが、まったく出ない??
であるとしたら、ドライブをかけるのは危険です。



Re: 日東電磁ロータリースイッチ投稿者: KL−11 投稿日:2008/04/09(Wed) 21:13 No.1087  

写真をアップします。
ロータリースイッチは1回路で、シャフトでもう1回路パイLのL
切り替え用と入力切り替え用のロータリースイッチが
シャフトで連結されています。
3.8では2kw ダミーで確認しています。
他は全くPOWERメーターが振りません。



Re: 日東電磁ロータリースイッチ投稿者: 那須次郎 投稿日:2008/04/11(Fri) 23:23 No.1088  

> 3.8Mではダミーで2KW出ますがその他の周波数はパワーが出てきません。

写真拝見しました。各接点部分はよく見えませんが、故障の可能性として考えられることを述べます。

まずタンク回路が改造されていないか、よく見てください。
3.5メガ専用になっていませんか? たとえば同調用のキャパシターが付加されたままになっているとか、バンド切り換え回路が動作しないようシャントされているとか?

つぎに考えることが、バンド切り換えスイッチの件。

ロータリースイッチですることは、コモン接点から各バンドの接点を使ってコイルをショートして所定のインダクタンスを得ることです。

一番最低の周波数(ですよね?)しか動作しない、とすれば、まずスイッチの中心にあるコモン接点にいたるベロや配線が外れていないか、接触不良でないかを見てください。
ただしコイルがつながった状態では、テスターでは判定できないでしょう。

プレート側コイルのみならず、アンテナ負荷側のコイルの接点についても同様です。パイLマッチではアンテナコイルの働きも重要です。

3.5メガ以外のバンドすべてで、各バンドの接点が接触不良になるとは考え難い印象ですが、一応これもチェックする必要があります。

いずれにしても、まず出力側(プレートおよびアンテナ負荷)のほうのコイルかコイルの切り替え接点付近の異常を重点的にさがすべきでしょう。

古い機械ですから、半田付けが腐食していることも考えられます。コイル部分でダマができていた、というのは以前どなたかが、ここの部分を修理した可能性があるかもしれません。

スイッチ部分の点検で異常が見つからない場合、これを外して、きれいに磨いてから、再度つなぎなおしてやってみてください。

ただし半田は抵抗が高い金属なので、ハイパワーの高周波が通るところには、本来使うべきではありません。(基本はネジ止めでしょう。)半田でロスを生じます。発熱して、はずれる危険があります。はずれなくても接触不良になるかもしれません。

バンド切り替えがうまくいかないときは、連結シャフトのネジがゆるんでいないかも見るほうがいいと思います。
が、このアンプの場合は高い周波数でもドライブがかかるようなので、一番最後部にある入力側切り替え部分まで、連結はうまくいっているのだろうと思ってもいいのかもしれません。

コモン接点が回転せず、シャフトだけが回転している可能性はあるでしょうか?これもきちんと目視で確認してください。

ところで、

送信管8877について以前聞いた話ですが、中国製の8877で、ローバンドは出力が出てもハイバンドでは電流が流れるだけ、というものがあった、との状況もあるそうです。どれくらい出力が出たのかは不明です。

にわかに信じ難い話ですが、中国製であるかどうか別にして、これも疑ってみるほうがいいでしょう。もし交換できる球があるのでしたら、念のため、そちらでもテストしてみてください。

ただし出力側の異常がある場合は、相当大きなグリッド電流が流れているおそれがあり危険ですから、小さいドライブでまず同調するのかどうか、見てからにしてください。

以上、ご参考まで。 無事修理の成功をお祈りします。
くれぐれも感電しないように注意してください!!



Re: 日東電磁ロータリースイッチ投稿者: KL−11 投稿日:2008/04/15(Tue) 19:07 No.1089  

那須次郎様

アドバイスありがとうございます。
入手した当初は3.5から14mhzまではOUT 2KW程度
出ておりました。SSBのコンテストで使ったら、すぐに壊れて
3.5、3.8のみしか出力しなくなりました。
多分ロータリースイッチのタンクコイル切り替え部が
くさいと思っております。
一度ロータリースイッチの配線を外して確認したいと思います。
また結果は報告いたします。



Re: 日東電磁ロータリースイッチ投稿者: KL-11 投稿日:2008/04/16(Wed) 12:11 No.1090  

タンクコイルとロータリースイッチを取り出して、配線を外しました。
テスターで導通をみたところ、挟み込む接点の一番端の接点(挟み込む接点は4つぐらい付いている)のどう通が無く、りん青銅が
ぼろぼろになっていました。ちょっと触ったら接触部が穴が空いて
しまいました。また板状接点も28,21、14、7と摩耗や
黒く腐食しているようです。日東電磁の営業さんに電話して
修理できるかお聞きしましたが、部品を作る金型は多分あるが
2、3万では材料代もでないとのことで、部品が残っていないか
確認してもらうことになりました。材質は両方の接点ともりん青銅で
それぞれ板厚は0.3と0.5ぐらいではないかとのことでした。
りん青銅の素材を少量分けていただける方はいませんでしょうか?



Re: 日東電磁ロータリースイッチ投稿者: KL-11 投稿日:2008/04/17(Thu) 12:38 No.1091  

恵比寿に聞いてみましたが、この手のロータリースイッチは
もう国内では製造されていないとのことで、在庫はないとのことでした。りん青銅素材1枚3000円ぐらいで、入手できるようです。
ロータリーのはさみ込む接点の方は、自作が難しそうですので
とりあえず、板の接点だけ自作して付け替えようと思います。



Re: 日東電磁ロータリースイッチ投稿者: 那須次郎 投稿日:2008/04/19(Sat) 13:12 No.1092  

>りん青銅素材

秋葉原ラジオデパート2階のシャーシ屋さんにもあります。
小さいシートで購入可能ですから、3000円はしないでしょう。
理想は、ベリリウム銅ですが、加工は困難です。

挟み込むようにする部分は、薄い部材を数枚重ねて、接触部分は角がたたないようにうまく折り返しておくといいと思います。
一枚ずつ順番に接触するようにカーブを付けて重ねます。

うまく製作されましたら、またご紹介ください。GL!!



Re: 日東電磁ロータリースイッチ投稿者: KL-22 投稿日:2008/04/19(Sat) 23:28 No.1093  

ジャンクの KL-11バンドスイッチならありますよ。
送料持ってくれれば差し上げます。
私も以前使っていました。ハイバンドはどーしたわけか、タンクコイルが熱くなりました。格好はいいのですが、これまたヘンリーのコピーのようなアンプでした。



Re: 日東電磁ロータリースイッチ投稿者: KL−11 投稿日:2008/04/21(Mon) 20:51 No.1094  

KL−22様
ご好意ありがとうございます。
送料は負担いたしますので、送っていただけますでしょうか?
あとは、個別にメールにて送付先をメールさせていただきます。
よろしくお願いいたします。



Re: 日東電磁ロータリースイッチ投稿者: KL−11 投稿日:2008/04/25(Fri) 00:11 No.1095  

那須次郎様

東京ラジオデパートの2階の店に連絡中です。
りん青銅板ありますかね?

ヤフオクにKL−11が出ているようです。
不動品で14.8万は高いですね。



Re: 日東電磁ロータリースイッチ投稿者: 那須次郎 投稿日:2008/04/26(Sat) 01:36 No.1096  

>東京ラジオデパートの2階の店

最近見ていませんが、銅板やアルミ板の切り売りのところにあるかと思います。銅板、真鍮とマジックの印の色が違います。

地下の老舗シャーシ屋さんにあったかどうかは、存じません。

場合によると、駅に近いほう、ラジオストア2Fの階段を上がって左手のシャーシ屋さんにもあるかもしれませんが、確認したことはありません。

なにかジャンクのスイッチから加工して製作するのも一つの手かと思いますが、そういう大型スイッチすら、近年では見かけなくなりました。

ロータリースイッチがダメなら、バキュームリレーにするのも手です。これをバンドスイッチに連動させた小型のロータリースイッチで切り換えます。

この場合、バンドごとにSPST(1回路1接点)のリレーがあれば足りるので、安価に入手できれば(やや場所を食いますが)いいのができると思います。

SPST接点なら、SPDTよりは安価です。以上、余談ですが。


ところで、ハイバンドのコイルが発熱しやすいのは何故か?
理由は二つ。

1) 高い周波数ほど表皮効果で高周波電流が金属表面に集中して流れるため。

この表面に集中するときの深さは、((周波数(Hz)の平方根))の逆数に比例します。(銅では、x0.07、単位m)
3MHzよりも30MHzのほうが、3倍くらい浅い部分に集中して流れて、その部材の電気抵抗によるジュール熱で発熱します。
すなわち、30MHzでは銅の表面の深さ0.01mmくらいまでの部分に集中しているというわけです。HF帯では銀メッキをしても、相当厚いものにしないと効果はない、とも考えられます。
それより、RF電流が流れる部分の面積を増やして電流を分散させるほうが効果的でしょう。


2) 発熱する部分の表面積が少なくなるため。

これはコイルそのものの巻き数が少なくなることによるものです。30MHzでは、3MHzと比較すると単純に考えて10倍も熱が集中するわけですから、ハイバンドではなるべく表面積が大きくなる形状のコイルのほうが放熱が良いのです。

すなわち、1)の電流が広い面積で分散することも考慮して、帯状あるいはパイプ状のコイルを使用します。

まあ、それでも同じ単位面積あたりで考えれば、3MHzよりも30MHzでは10倍発熱しやすい、ということですから、同じ形状のコイルを巻いてタンクコイルを製作した場合は、1)および2)で、30倍も発熱する(温度上昇が30倍)、ということです。

だから、マルチバンドのパワーアンプを設計するのは、えらく大変なことなのです。(ほんとうは。)



Re: 日東電磁ロータリースイッチ投稿者: KL−11 投稿日:2008/04/26(Sat) 15:27 No.1097  

那須次郎様

東京ラジオデパートの地下のお店に、
ばっちりの厚さのりん青銅板ありました。
ここは0.1から1.0まで0.1刻みに在庫がありました。
KL−11用のロータリースイッチ用には
挟み込む部分が実測t0.3、端子がt0.5でした。
送料込みで2000円ぐらいで入手できそうです。
安く仕入れられました。
ありがとうございます。
あとは板金技術!!と根気が勝負ですが・・・・



Re: 日東電磁ロータリースイッチ投稿者: 那須次郎 投稿日:2008/04/27(Sun) 01:24 No.1098  

KL-11さん、とりあえず良かったですね。
切り口がなめらかになるように、切れ味の良い金切りバサミで切り出して、目の細かいヤスリで仕上げてみてください。

さて、上記No.1096の内容をさらによく考えると、

> ハイバンドのコイルが発熱しやすいのは何故か?
理由は二つ。

1) 高い周波数ほど表皮効果で高周波電流が金属表面に集中して流れるため。
 その部材の電気抵抗によるジュール熱で発熱します。

2) 発熱する部分の表面積が少なくなるため。

これはコイルそのものの巻き数が少なくなることによるものです。30MHzでは、3MHzと比較すると単純に考えて10倍も熱が集中する。

そこまではいいでしょう。では、ここで、電流が広い面積で分散することも考慮して、帯状あるいはパイプ状のコイルを使用するとします。幅広のコイルでは、単位長さあたりのインダクタンスが少なくなるので、けっきょく長いコイルを巻くか、ピッチの小さい間隔で巻く必要があります。ピッチを広く、たとえば2倍にして巻くと、コイルはもとのコイルの4倍の巻き数が要ります。

したがって正確に言うなら、ハイバンドのコイルを何ターンくらい巻くことになるのか、どんなコイルにするのかで、低い周波数の何倍発熱しやすいかが決まる、と言うべきでした。

ということで、いずれにしても、タンクコイルひとつをとっても、10オクターブも周波数範囲があるマルチバンドのパワーアンプを設計するのは、えらく大変なことなのです。(ほんとうは。)

その点、デバイスの出力部に同調コイルを持たずインピーダンス変換トランスのみですむ半導体ワイドバンドアンプのほうが、この部分については考え易いのかもしれません。



Re: 日東電磁ロータリースイッチ投稿者: 那須次郎 投稿日:2008/04/27(Sun) 11:27 No.1099  

>ジャンクのスイッチ
なかなかいいものが入手できなくなりました。

ところで以前、 8877×2 や 4CX1000A×2 のアンプでの使用例を紹介したことがあるUSジャンクのロータリースイッチ、本国では1個$5くらい、日本でも¥3kくらいで入手できるものです。

もとはAM 500W送信機のBC−610の出力回路などに使用されたものだと思われます。

後方にシャフトが出ていないので、2段につなぐにはギア・チェーンドライブにしないといけませんが、耐圧そこそこ、大電流対応可能なので、シャフトが短い3/8インチなのを除けば使い勝手がいいスイッチです。

ばねが相当きついので、ドライバの先でこついで日本人の体力レベルまでゆるめるか、するといいでしょう。
たいてい付属のツマミもいっしょに売っているので、あれば購入しておくほうがいいかもしれません。



Re: 日東電磁ロータリースイッチ投稿者: 那須次郎 投稿日:2008/04/27(Sun) 11:39 No.1100  

>USジャンクのロータリースイッチ
> 耐圧そこそこ、大電流対応可能

そこで、こんなものを製作しました。ロータリーリレー(というのか、電磁式の回転スイッチ)を組み合わせて、もともとは屋外に設置するポケベルかなにかの送信機?のステンレス製ケースに収納。

HF帯用のリモート同軸切り替えスイッチです。

同軸コネクタは、ロータリースイッチの接点に沿って放射状に並べるほうが見栄えも配線の引き回しも良くなるのですが、6回路分の同軸コネクタとコモン、コントロール用コネクタの合計8個も取り付けるには若干込み入った取り付け方になってしまいます。

基本的にはHN型、1回路だけM型も取り付けました。
最近は程度の良いM型、メスもオスもハイパワー用の良いものがなかなかありません。
USインチねじのものではテフロン絶縁が入手できます。日本で買える台湾製の白い絶縁物は、ただのプラスチック、半田ごての熱で簡単に溶けます。

このスイッチ回路、もしハイバンドでSWRが立つ場合は、小容量のキャパシタかテフロン同軸の切れ端でもいいので、並列にキャンセルする容量を入れます。28MHzなら10pFとか20pFとか、50オーム同軸なら10〜20cmくらいでしょう。送信パワーに見合った部品を使用します。
同軸でキャパシタを作る場合の先端は解放、放電しないようにテフロンテープなどで上手に処理してください。

波長が長いローバンド〜14メガくらいまでは、配線の影響は無視して大丈夫です。
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